3-122氏
122 名前:メインデュッシュの、その後に[sage] 投稿日:2010/02/22(月) 03:02:26 ID:f9yiDYQb
一ヶ月近くお待たせしました……>>28です
新羅×セルティ
《メインディッシュの、その後に》
『ご飯、出来たぞ。冷めないうちに食べてくれ』
差し出されたPDAの文字列を眺め、新羅は浮ついた心持ちで食卓に向かった。
「毎日こうしてセルティの手料理を食べられる。それだけで毎日は羽化登仙な日々さ」
新羅の言葉にむず痒そうに首を傾げ、それでも悪い気はしないらしくセルティは少しだけ足取りも軽く、食卓の新羅の向かいに納まった。
「お、今夜のメニューは、じゃがいもの煮っ転がしだね?」
『今日は仕事が無かったからな。テレビで勉強したんだ』
セルティの心を反映してか、指先は軽やかに文字を打ち出していく。セルティ自身もどこか誇らしげだった。
確かに食卓に陣取っている大皿の上には、ほくほくに茹で上げられたじゃがいもに、
てらてらとしょうゆだれが絡みつき絶妙なコンビネーションを演出している。
煮っ転がしは少しでも目を離すとすぐに焦げ付いてしまうため、こうしてとろりと仕上げるには大分難しいのだが、
初めての調理で成功を収めたセルティは少なからず自信を持っていた。
新羅の腹も、早く箸を動かせとばかりに音を立てた。
「じゃあ早速、いただきます!」
一も二も無く煮っ転がしを口に運んだ新羅は、そのまま静止した。
そんな恋人の様子をセルティは静かに伺っている。
それでも新羅は停止したままだ。
セルティは首をかしげた。
―何かおかしなものでもいれたかな?
調理を思い返してみても、レシピ通りに行われたはずだ。
段々とセルティの心に不安が滲み出してきた。
123 名前:メインデュッシュの、その後に[sage] 投稿日:2010/02/22(月) 03:03:24 ID:f9yiDYQb
セルティがダイニングに戻ると、新羅は片づけを始めていた。
『中座して悪かった。煮っ転がしの代わりに簡単にだが、何か作るよ』
「いいよ。俺はセルティが笑顔になってくれるだけでお腹いっぱいになれるから。だから、さ、笑ってよ」
どこかの笑顔中毒者のような新羅に、セルティは大分躊躇ってからPDAに打ち込んだ文字を見せた。
『じゃ、じゃあ、その、こういうのは何だが、わた、私じゃく、口直しにならない、かな?』
指が震え、何度も文字を打ち損なったが、恥ずかしさから訂正も出来なかった。
それがまたセルティの羞恥加減と正確に新羅に伝えた。
「……ええぇっ!?」
―やっぱり怒っただろうか。ご飯の代わりに私で満足しろなんて……。
驚愕の眼差しの新羅の気持ちを量り損ねて、またしてもセルティは落ち込んだ。
精一杯の謝罪の気持ちだったのだが、何か踏み込むところを間違えてしまったのかもしれない。
急に臆したセルティは下ろそうとした腕を、新羅に掴まれた。
身を竦ませて新羅を伺うと、やけに真剣な表情だった。
「……いいのかい、セルティ?」
熱っぽい新羅の視線にセルティはこくりと頷いた。
124 名前:メインデュッシュの、その後に[sage] 投稿日:2010/02/22(月) 03:04:06 ID:f9yiDYQb
寝室に向かい、ベッドに腰掛けたセルティは新羅に抱き締められそうになって慌ててPDAを突き出した。
「何だいセルティ? 君から誘っておいて今更怖気づくのはなしだよ? 何を言われたって僕の気持ちはもう志操堅固だからね」
『電気を消してくれ』
簡潔にだがセルティの羞恥心が伝わる言葉に新羅は頬を緩めた。
「何を言ってるんだい! これからじっくりと照明の下でセルティの裸体を観賞してから、味わいつくそうと思っぼぐはっ!」
新羅の鳩尾にセルティの拳が突き刺さった。
『わざわざ恥ずかしい言葉を選ぶな! いいからさっさと電気を消せ!』
「わかった、わかったよ……!」
殴られた腹を擦りながら、新羅はセルティの望み通り部屋の明かりを落とした。
一瞬にして部屋が暗くなり、反対にセルティの存在感が増したように感じられる。
そっと気配と記憶を頼りにベッドに向かい、ゆっくりセルティに接近する新羅。
先ほどは拒まれたが仕切りなおすように抱き締めると、彼女の温もりが腕の中に広がった。
普段より高めの体温がセルティの興奮具合を知らせる。
新羅はセルティとキスをするような気分で、口先を彼女の首の断面に埋める。途端に影がざわりと蠢き、カーテンから漏れる月明かりだけの部屋の中に非現実的な空間を作り出した。
舌先でぺろりと舐め上げ、時折啄ばむようにすると新羅の胸元に置かれたセルティの両腕が震えた。
果たして、首の影を弄ると気持ち良いのかどうか、新羅はセルティ本人に聞いたことがあったが、そんなこと答えられるか、とそっぽを向かれてしまったため、その結果は推して知るしかない。
新羅は口付けを段々と首筋のほうに移していった。それに合わせてセルティも、ぴくりぴくりと小刻みに身体を震わせ、両手は新羅の白衣を強く握り締めている。
少し開かれた胸元から鎖骨の辺りを舌でなぞると、セルティが跳ね、首からの影も大きく動いた。
身体の反応に合わせて動く影は、まるでセルティの嬌声を代弁しているようだった。新羅はその動きを確認して満足そうに微笑んだ。
125 名前:メインデュッシュの、その後に[sage] 投稿日:2010/02/22(月) 03:04:59 ID:f9yiDYQb
「気持ち良いのかい? セルティ」
新羅が訊ねると、まだ余裕があるのかセルティもPDAで応じた。
『気持ちよさは否定はしないけど、でもあくまでも口直しなんだから、新羅が気持ちよくならないと意味ないんだぞ?』
暗闇に浮かぶ文字を追い、当初の目的を思い出した新羅は苦笑する。
「さっきも言ったけど、セルティの笑顔でお腹いっぱいになれるように、セルティが気持ち良ければ俺も気持ち良くなれるんだよ」
諭すように告げると、それでも何かPDAに打ち込み伝えようとしているセルティを制するように押し倒した。
「ね、もういいだろ? いつまでお預け食らわせる気なの?」
新羅の言葉に諦めたように、セルティはサイドテーブルにPDAを置いて、どうぞ再開してくれ、と言わんばかりに両腕を新羅の首に回した。
セルティに抱えられるようにして、新羅は再びセルティの首筋に唇を落とす。
胸元のジッパーをゆっくりと引き下ろすと、程よく鍛えられた谷間が露になった。勿体つけるように、谷間を擦ると擽ったそうにセルティが身を捩る。
そしてゆっくりとライダースーツを割り開いていくと、健康的で整った大きさの胸は零れるように姿を現した。
胸に這わされた新羅の手は触診のようにゆっくりと、それでいて確かに性感を煽る動きでセルティを高めていく。
頃合を見計らって頂点を口に含むと、セルティが再び反応した。
舌先で転がし、軽く歯を引っ掛け、吸い付き、左手で反対側を大切に弄ぶ。すると頂点はぷっくりと起き上がり存在を主張し始め、セルティの影はより一段と動きを早めた。
新羅は影の動きを確かめながら、ライダースーツのジッパーを更に下ろして言った。
意を察したセルティは、肌蹴させられていたスーツの上半身部分をゆっくりと脱ぎ始める。
快感に蕩かされて陶酔としているのか、やたらと新羅の情欲を掻き立てるような脱ぎ方だ。
今すぐにでも再び組み敷きたくなるのをぐっと堪えて、半裸になったセルティの片足を取り、スーツ越しにセルティの秘所に触れてみた。
影で作られたスーツに妨害されながら、それでもそこがしっかり開き潤んでいる感覚が新羅の指先に伝わってきた。何度か楽しむように指を往復させていると、流石に焦れたのかセルティが新羅に開かれた足を動かす。
126 名前:メインデュッシュの、その後に[sage] 投稿日:2010/02/22(月) 03:06:00 ID:f9yiDYQb
「ふふっ、もう限界かい?」
楽しげに笑って、セルティの期待に応えるべくスーツを脱がしにかかる。
今度はゆっくりとひたすら時間をかけてスーツを新羅が脱がしていくと、耐え切れなくなったセルティは自らスーツの形を保っていた影を霧散させた。
「ああっ! 脱がす楽しみを……! 解った! 解ったから! もう焦らさないから!
お願いだから影を上手く制御出来てない状態で影でハンマーなんて作らないで! そんなので殴られたら僕死んじゃうから……!」
あまりにもお悪がすぎる新羅に我慢の限界と言わんばかりにセルティは影でハンマーを具現化させたのだが、漫画でしか見ないような巨大さに思わず新羅は戦いてしまう。
だが、新羅の抗議を受け入れたのか、それとも既に影を制御するのも難しいほど堪えきれなくなっているのか、セルティはすぐにハンマー型に形作っていた影を消し去った。
撲殺される危険性を回避した新羅は苦笑交じりに溜息を吐いて、セルティの秘所に手を伸ばした。
少しだけ指を沈めると、痙攣のようにセルティの身体が震えたのと同時に、再び影が滲み出す。
入り口付近の壁を形を確かめるように何度もなぞり、段々と奥深くへと進入させていく。
親指で顔を出した芽を捉えると、ゆっくりと転がした。
今までになく身体を震わせ、影を排出したセルティは軽く達したようだった。
セルティが吐き出し続けた影は、いつしか窓からの月明かりすら遮るほど部屋中に充満し、暗闇に慣れた目ですらセルティの姿を覆い隠している。
127 名前:メインデュッシュの、その後に[sage] 投稿日:2010/02/22(月) 03:07:19 ID:f9yiDYQb
「こんなに暗いと目隠しプレイみたいで興奮するねえ」
軽口を零しながら、新羅は自身をセルティの秘所に当てた。
ぐちゅっ。
水気が艶やかな音を響かせ、これからの行為の淫靡さを演出する。
セルティが一瞬だけ身を竦ませたが、すぐには挿入せず、セルティの気が緩む瞬間を待った。
もう焦らさないと言ったのに約束が違う。
口があったのなら、そんな風に抗議していたのだろう。セルティが再び影を何かに形作ろうとして新羅から一瞬気が逸れた一瞬を狙って新羅はセルティの中に突き進んだ。
意表を突かれたセルティが大きく仰け反り、影も今までの比ではなく飛び散った。
勢い良く突き入れた新羅だったが、再び動きを止めセルティの反応を伺い始めると、さすがに限界に達したのかセルティは渾身の力で新羅を突き飛ばした。
「うわぁ!」
すんでのところでベッドから転げ落ちそうになった新羅だが、何とか踏み止まった。
その隙を突いてセルティは新羅に覆いかぶさった。
いつの間にか机に置かれていた筈のPDAが新羅の目の前にかざされ、突如現れた光に眩しげに目を細めた新羅だったが、目が慣れるにつれ表示されている文字列に目を丸くした。
『やっぱりお詫びなんだから、私がお前を気持ちよくしてやらなきゃいけないと思うんだ。うん、そうしよう』
何処か性急さを感じさせる言葉に新羅は、首を傾げた。
「えーと、これってどういううわっ!」
新羅が疑問の言葉を口にする前に、セルティは逆に新羅を押し倒していた。
そして馬乗りになったセルティは、ゆっくりと屹立した新羅自身を自分の中に導きいれ、何事かを新しくPDAに打ち込み新羅に見せた。
『ふふふ、いつもと逆だな。準備はいいか? お詫びの気持ちだからな。容赦はしないぞ』
「ちょっ……! お詫びと容赦って一緒に並んじゃいけない言葉だと思うよセルティ!?」
新羅の言葉が終わるか終わらないかのうちにセルティは腰を動かし始めた。デュラハンの力で。
「ちょっと待ってセルティ嬉しいけど、嬉しくない結果になりそうだってちょっと本当に止まってセルティ!? セルティーーーーーー!!」
結局、セルティの満足のいくまで続けられ、夜が明ける頃には新羅はぐったりと抜け殻のようになっていた。
『悪い。やりすぎた。でもお前があんまり焦らすから……』
とだけ打ち込まれPDAが枕元に置いてあり、持ち主といえば昨晩失敗した煮っ転がしの味の調整に勤しんでいる。
「もう……セルティを焦らすのだけは止めよう……」
陽射しが枕元にも届く頃、鳥の囀りに囲まれて新羅は半死半生の態で呟いた。
128 名前:メインデュッシュの、その後に[sage] 投稿日:2010/02/22(月) 03:09:36 ID:f9yiDYQb
これで終わりです。
ってうわ失敗してる……orz
>>121と>>123の間に
調理を思い返してみても、レシピ通りに行われたはずだ。
段々とセルティの心に不安が滲み出してきた。
『何か、不味かったか?』
「……少しだけ」
問いかけると、ほんの僅か引きつった表情で新羅から返答があった。
料理に関してはセルティは味見が出来ないため、新羅に食べさせるまで成否が解らない。
なので感想については嘘を吐かない様に念押ししている。
すると言い辛そうにしている新羅の言葉は嘘ではないのだろう。
セルティは見た目にも解るほど落ち込んだ。
「ちょっと! 本当に本当にちょっとだよ!? 少しだけしょっぱかったってだけだから! だからそんなに意気消沈しないでセルティ!」
言うが早いか、セルティを慰めるためにか次々と煮っ転がしを口に放り込み始めた新羅を、セルティは手で制してPDAに文字を打ち込んだ。
『いい、身体に悪いだろうから、無理をしないでくれ』
それだけ伝えると、がっくりと肩を落としたセルティは自分のパソコンに向かった。
ネットに繋げ、煮っ転がしのレシピを検索する。
ページによって情報は僅かに違うが、それでもはっきりとセルティの間違いは解った。
―しょうゆ、平均的な量の三倍いれてた……。
テレビ番組のレシピを写したメモと照らし合わせ、セルティは再びうなだれた。
そもそもセルティが見ていた料理番組は『真・3分クッキング!』と題された特殊な番組で、
実際に全ての調理の工程を作り置きや編集を差し挟まず、早送りだけで3分に凝縮した視聴者泣かせの番組で、
それを見ただけで成功に程近い状態に作り上げたセルティは逆に凄いのだが、そんなことは今のセルティには関係なかった。
―新羅に喜んでほしかっただけなんだけどなー……
落ち込んだ思考で、どうやったら新羅を喜ばせられるかを真剣に考える。
無い頭を捻り、セルティは一つの答えに辿り着いた。
意を決して席を立つ。
きっと、セルティに首から上があったら間違いなく恥じらいに顔を真っ赤にさせていたであろう決意と共に。
という文章が入る予定でした……orz
129 名前:メインデュッシュの、その後に[sage] 投稿日:2010/02/22(月) 03:13:59 ID:f9yiDYQb
取り敢えずこれで終わりです
大してエロくなかったり、改行失敗してたり、そもそも順番間違えてたり
読みにくさ大爆発でごーめーんーなーさーいー……
精進して、いつの日にか再挑戦します!
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