3-204氏
204 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/03/08(月) 01:46:50 ID:0ZfdxAli
平和島静雄が普段通りに会社の事務所に入るとそこに彼の上司である男の姿はなく、ソファーの上で体育座りで読書をしていた新入メンバーのヴァローナがこちらに気づき顔をあげた。
「今日、トム先輩はお休みです。急用、外れません。」
「あ?あぁ、そうか。」
本を閉じ、こちらに向かって来るヴァローナを見ながら静雄は困った様にサングラスを外した。
(つか、俺らだけで取立てなんか出来んのか・・・?)
それを聞く相手もおらず、困惑しつつも彼は後輩に声を掛けた。
「しょうがねぇ、リストはあるみたいだしとりあえず出るか。」
「肯定です。取立て、慣れてきました。お任せです。」
205 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/03/08(月) 01:47:56 ID:0ZfdxAli
前を歩く長身の男の背を見ながら、ヴァローナは思案する。
(この、妙な感覚は一体・・・)
具体的に言うと胸が熱いような顔が熱いような・・・風邪を引いた時のような感じ。しばらく自分の持つ知識と照らし合わせ、ヴァローナはようやく納得したように頷いた。
(先輩と二人だけで、ドキドキしている?)
ではどうしてそんな状態になるのか・・・
(強い人間、強い子孫を残す。生物学的に彼は非常に魅力的。私もきっと彼の強さに惹かれている・・・?)
思考がそこまで至った瞬間、ヴァローナは額に水滴を感じた。
「ん?雨か、急に来たな。って、うわ、本降りになったぞ!」
「この場所までまだ距離あります。どうしますか?」
「あ〜、しょうがねぇ、雨宿りだヴァローナ。」
「了解です。」
206 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/03/08(月) 01:49:01 ID:0ZfdxAli
「俺が傘買ってきた方が良かったかな・・・ヴァローナよぉ、寒くねぇか?」
「否定です。陽気は春、幸運です。」
ヴァローナの方をちらりと見た静雄は、思わず目を見開き慌てて顔を逸らした。
金髪は顔に張り付き、ぴったりとした服から浮き上がるボディラインが何とも艶かしい。
(・・・やべぇな)
顔立ちにも幼さの残るヴァローナに対し静雄は年下の後輩という認識しかしていなかったが、彼女の体は年齢以上に発達している。当のヴァローナは無表情に空を眺めているだけなのだが、今その濡れた睫毛さえもが静雄の興奮を誘う要素になった。
(いや、流石にマズいだろ!大事な後輩だし、あぁでも俺は・・・!!)
明らかに様子のおかしい静雄にようやくヴァローナが気付いたようだ。
必死に顔を背け逃げようとする静雄をじっと観察し、彼女は問い掛けた。
「? それ・・・。」
209 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/03/08(月) 20:26:44 ID:0ZfdxAli
ヴァローナの視線は静雄の下半身に注がれていた。赤くなったり青くなったりする静雄の顔を見ながら、ヴァローナは彼にとって予想外の言葉を口に出す。
「嬉しいです!」
「強い人間、生殖においてモテモテです。私は、強いからあなたはそうなる?あなたはとても強いけど、あなたから見ても私が強いからそうなったですか?」
興奮しているのか、普段より難解になったヴァローナ語に静雄は目を白黒させた。
(何が言いてぇのか全然分かんねぇけど・・・怒った訳じゃなさそうだな)
次の瞬間、静雄の顔の目の前にヴァローナの顔があった。階段に腰掛けている静雄の腿に跨り、彼女は彼女の中だけで通じる言語でまくしたてる。
「ドキドキしますか?私、さっきから、ずっとドキドキしていました。その理由、おそらくあなたが強くて魅力的だから・・。静雄先輩、体温が上昇。私と同じ理由と思われます。嬉しい・・・」
「先輩、私を抱いて下さい。」
どこで覚えたのか、最後のそのセリフだけははっきりと静雄の耳に届いた。
210 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/03/08(月) 20:27:38 ID:0ZfdxAli
「あー、ヴァローナ?俺ぁこういった事は殆ど初めてで・・・」
ホテルの一室。ヴァローナも物珍しそうに辺りを眺めているが、静雄はそれ以上に居心地が悪そうだ。固まっている静雄の胸に、ヴァローナがゆっくりと抱き付いた。
「まず服を脱ぎます。どうぞ。」
どうやら彼女に恥らいというものはないらしい。それくらいは知っている、と言いたげな顔をしながら静雄が自らのバーテン服を脱ぎ終えた時にはヴァローナは既に下着しか身につけていなかった。
透き通るような肌を見て静雄は自分の理性が崩壊するのを感じた。しかしーーー
(駄目だ、傷付けちまう。)
彼はもう力を制御する方法を覚えていた。静雄はことさらに優しくヴァローナの身体を抱きしめ、ゆっくりとベッドに横たえた。
「本当に、いいんだな・・・?」
「肯定です。どうぞ。」
213 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/03/08(月) 22:06:50 ID:0ZfdxAli
ヴァローナには膨大な知識があった。幼い頃から本を読み、様々な事に対する知識を得てきた。が、それは経験ではない。ものを知っている事とそれを実際に行うのは全く別のものなのだ。
彼女は自分の胸が吸われる感覚も、それが生み出す快感も今まで経験していなかった。
「んっ・・・」
鼻にかかった声が漏れる。こんな感覚は知らない・・・ピリピリと痺れるような切ない感覚。自分の胸に顔を埋める男が愛おしくてたまらない。
静雄の大きな手が身体中を這い、顔を上げると彼と目が合った。そのまま優しく口付けられ・・・ヴァローナは自分の顔が真っ赤になるのを感じた。
「私、、興奮しているようです。」
母語ではない言葉を口に出すのは恥ずかしくないが、今の自分の身体の状態が、どうしようもなく恥ずかしい。いつの間にか彼女の両足は静雄の足に絡み付いていた。
静雄は臨也や新羅には確実に想像もつかないような穏やかな微笑みを浮かべ、ヴァローナの頭を撫でる。そしてそのまま片手を下の方に運びゆっくりと彼女の内腿をなぞった。
「っっ・・あぅ・・・」
214 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/03/08(月) 22:33:34 ID:0ZfdxAli
嬉しい、嬉しい、嬉しい・・・触られている部位全てが彼女に同じ感情を伝えてくる。静雄の足に腰を押し付けるように身体が勝手に動き、内腿が痙攣する。
「そこ、ジンジン、ゾワゾワします。・・・気持ち良い・・・」
熱い息を吐くヴァローナのそこは既に濡れそぼり、静雄のものを受け入れる準備はもう整っていた。
「ゆっくり、挿れるからな。」
「はい・・・」
「痛っ」
短く叫んだヴァローナの方を伺いつつも、静雄は腰を進めていく。
「大丈夫か?」
「はい。私、痛いのは平気です。」
目を瞑り、微かに眉を顰めてはいるものの充分に濡れているからかヴァローナが痛みに慣れているからか、あまり辛くはないようだ。
静雄は内心少し安堵しつつ、彼女の中に自身を全ておさめた。
「ふ・・あっ!」
奥に当たったのか再びヴァローナの腰が痙攣し、彼女は思い切り静雄の頭を抱き締める。豊かな胸に顔を押し付けられ、静雄は目を閉じた。
(こんな風に人の体温を感じるのは・・・何年振りだろうな)
熱で火照った少女の身体が心地良い。ヴァローナはもう余裕がなくなったらしく、静雄を抱き締める腕により一層の力がこもる。
「あぁ、静雄先輩・・・何だか、あっ、中が、当たって、変です・・」
215 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/03/08(月) 22:49:58 ID:0ZfdxAli
「ヴァローナ、動いても大丈夫か?」
「は、はい、、肯定です。」
静雄はゆっくりと、彼女を傷付けることのないように、ゆっくりと腰を動かした。
一突きごとにヴァローナの身体はビクビクと痙攣し、それに伴って静雄の動きも余裕を失っていく。
「あぁ、私、私、もう駄目です!」
「悪ぃ、止まんねぇ・・!」
ビクン、とヴァローナが大きく跳ねるのと同時に静雄は精を放った。
二人はそのまま放心したかの様に動けず、ヴァローナは微かに微笑んで目を閉じた。心の中で、静雄先輩大好きです、と呟きながら・・・
終わり
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